トップアイドルは白衣の天使に恋をする-Rebirth-
俺たちは、さっき事務所で起きたすべての出来事を、奏へ残さず話した

見知らぬ女性が突然事務所にやってきたこと

その人が、俺たちの最大手のライバル会社である「スターゲート」の社員だったこと

すべてをひっくり返せる、決定的な録音データの存在

そして——

あの動画の女と、ライバル会社の幹部が裏で繋がって楽しそうに陰謀を企てていた、その悍ましい会話の内容まで

一つも濁さず、隠さず、すべてを打ち明けた

奏は、微動だにせず黙ったまま、俺たちの言葉を聴いていた

途中で驚きの声を上げることも、疑問を差し挟むこともない

ただ、静かに、じっと

俺たちの紡ぐ言葉の一言一言を、噛み締めるように聴いていた

病室の中は、耳が痛くなるほど不思議なくらいに静まり返っていた

すべての話を終える頃には、無機質な窓の外の景色は、ゆっくりと燃えるような茜色へ、夕方の色になり始めていた

俺は椅子の背もたれから少しだけ身を乗り出し、奏の瞳を見つめる

「……まだ、ここから先どうなるかはハッキリとは分かんねぇ」

希望だけを肥大化させないよう、あえて正直な現実を口にする

「でも。
——俺たちの無実を、お前が嵌められたっていう真実を、今度こそ世間に証明できるかもしれない」

確信を込めたその言葉が病室の床に落ちた瞬間、奏はゆっくりと視線を落とし、深く俯いた

しばらくの間、何も言わない

時計の秒針の音さえ聞こえそうな、長い、長い沈黙。

そしてようやく、掠れた小さな声が、奏の唇から零れ落ちた

「そっ……か……」それだけだった

本当に、それだけだった

けれど、俯いた奏の華奢な肩が、かすかに、細かく震え始めているのを俺たちは見逃さなかった

俺は何も言わなかった

優朔も、蒼依も、ただ静かに奏の言葉を待った。
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