トップアイドルは白衣の天使に恋をする-Rebirth-
病院の近くの暗がりを抜け、車は滑るように夜の首都高を走った
助手席で彼と手を繋いだまま、時折夜景に照らされる優朔の綺麗な横顔を盗み見る
この数ヶ月、画面の向こうの彼を応援する日々が続いていたから、こうして隣にいること自体がまだ夢の続きみたいだった
車は誰の目にも触れない地下駐車場を通り、都内の一等地にある優朔のマンションへと滑り込む
厳重なセキュリティをいくつも抜けやっと辿り着いた彼の部屋
重い玄関のドアが閉まり、鍵がカチャリと閉まった瞬間、世界に二人きりになったような圧倒的な安堵感が押し寄せてきた
「おかえり、優朔……じゃなくて、今日はお邪魔します、かな」
「何言ってるの『ただいま』でいいんだよ」
「ここは僕たちの場所なんだから」
靴を脱いでリビングに入ると、優朔は私のコートを丁寧にハンガーにかけてくれた
息を吐きながらソファに腰を下ろすと、少し遅れて優朔が私のすぐ隣に滑り込んでくる
驚くほど距離が近い
「梓、コーヒーでいい? それとも温かいミルクにする?」
「ミルクがいいな……って、優朔、ちょっと近い」
笑いながら少し体を離そうとしたけれど、それよりも早く、優朔の長い腕が私の腰をガッチリとホールドした
「だめ。さっき車の中じゃ全然足りなかった
……まだ離したくない」
普段のテレビで見せる、大人の余裕たっぷりな彼からは想像もつかないような、少し強引で甘えた声
そのままズルズルと私の体に体重を預けるようにして、優朔は私の肩口に自分の顔を埋めてきた
彼のお気に入りのシトラスの香りと、トク、トク、と刻まれる心臓の鼓動が、私の肌に直接伝わってくる
「なんか優朔…甘えん坊だね」
「メンバーの前じゃ絶対にこんな姿見せないよ」
「僕だって、いつでも完璧なアイドルでいるのは疲れるの」
そして続ける
「梓の前だけは、ただの神崎優朔でいさせて」
耳元で囁かれる掠れた声が、私の胸のいちばん深いところを優しく揺さぶる
サッパリした性格の私だけど、こんな風に真っ直ぐ求められると、もう理屈なんてどうでもよくなってしまう
「……うんいいよ今日はいっぱい甘えて」
私が降伏して彼の背中にそっと手を回すと、優朔は嬉しそうに顔を上げ、ふにゃりと目元を下げて笑った
その顔が、あまりにも愛おしくて
「梓、大好き世界中で、僕が一番梓を愛してる」
そう言って、優朔は私の唇に、優しく、でも確かめるように何度もキスを落とした
ERの戦場のような喧騒も、彼を縛る芸能界の重圧も、今この瞬間だけはすべて遠い世界の出来事だった
私たちはただのお互いを想い合う男と女として、静かに夜が更けていくのを惜しむように、何度も抱きしめ合った
助手席で彼と手を繋いだまま、時折夜景に照らされる優朔の綺麗な横顔を盗み見る
この数ヶ月、画面の向こうの彼を応援する日々が続いていたから、こうして隣にいること自体がまだ夢の続きみたいだった
車は誰の目にも触れない地下駐車場を通り、都内の一等地にある優朔のマンションへと滑り込む
厳重なセキュリティをいくつも抜けやっと辿り着いた彼の部屋
重い玄関のドアが閉まり、鍵がカチャリと閉まった瞬間、世界に二人きりになったような圧倒的な安堵感が押し寄せてきた
「おかえり、優朔……じゃなくて、今日はお邪魔します、かな」
「何言ってるの『ただいま』でいいんだよ」
「ここは僕たちの場所なんだから」
靴を脱いでリビングに入ると、優朔は私のコートを丁寧にハンガーにかけてくれた
息を吐きながらソファに腰を下ろすと、少し遅れて優朔が私のすぐ隣に滑り込んでくる
驚くほど距離が近い
「梓、コーヒーでいい? それとも温かいミルクにする?」
「ミルクがいいな……って、優朔、ちょっと近い」
笑いながら少し体を離そうとしたけれど、それよりも早く、優朔の長い腕が私の腰をガッチリとホールドした
「だめ。さっき車の中じゃ全然足りなかった
……まだ離したくない」
普段のテレビで見せる、大人の余裕たっぷりな彼からは想像もつかないような、少し強引で甘えた声
そのままズルズルと私の体に体重を預けるようにして、優朔は私の肩口に自分の顔を埋めてきた
彼のお気に入りのシトラスの香りと、トク、トク、と刻まれる心臓の鼓動が、私の肌に直接伝わってくる
「なんか優朔…甘えん坊だね」
「メンバーの前じゃ絶対にこんな姿見せないよ」
「僕だって、いつでも完璧なアイドルでいるのは疲れるの」
そして続ける
「梓の前だけは、ただの神崎優朔でいさせて」
耳元で囁かれる掠れた声が、私の胸のいちばん深いところを優しく揺さぶる
サッパリした性格の私だけど、こんな風に真っ直ぐ求められると、もう理屈なんてどうでもよくなってしまう
「……うんいいよ今日はいっぱい甘えて」
私が降伏して彼の背中にそっと手を回すと、優朔は嬉しそうに顔を上げ、ふにゃりと目元を下げて笑った
その顔が、あまりにも愛おしくて
「梓、大好き世界中で、僕が一番梓を愛してる」
そう言って、優朔は私の唇に、優しく、でも確かめるように何度もキスを落とした
ERの戦場のような喧騒も、彼を縛る芸能界の重圧も、今この瞬間だけはすべて遠い世界の出来事だった
私たちはただのお互いを想い合う男と女として、静かに夜が更けていくのを惜しむように、何度も抱きしめ合った