別れてくれない?浮気性彼氏くん。

女の影

「乃慧、ごめん今日も無理」


「分かってる、大丈夫だから」


「わりー」


伊桜里が昇降口を降りていく足音は、はっきりしていた。


その音が途切れたのを合図に、私も教室を出る。


できるだけ足音を立てないようにしたいが、早く追いつかないとならない。


そう思い、少し音を立てながら、2段飛ばしくらいで階段を駆け下りる。


長い昇降口の旅も終わり、靴箱前についたが、そこに伊桜里の姿は見当たらない。


どこ行ったんだろ……?


悩んでしまって視線を上に上げると、『1−C』の文字が視界に入った。


……行く(あて)もないけど、行くしかない。
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