廃屋の転生幼女は冷酷宰相の愛娘になりました 〜魔力ゼロだったけど、公爵家でチートが開花しました~
 他の誰もが凍り付いてしまったかのように動けない。
 カツン、カツン。
「話にならん」
 カツン。
 公爵と呼ばれた男は、ライラの前で止まり、そのままっている彼女を抱き上げた。
 空では雷がまだ鳴っている。激しい音と共に窓の外から差し込む目映い光に、ライラは肩をませることもなくただゆっくりと目の前の男を見た。
 澄んだ青い瞳が、同じようにライラを見ていた。
「……お前がライラか。ああ、フレデリカによく似ている……そっくりだ」
「か、しゃま?」
 幼い声のたどたどしさに、男は厳しい表情をまた別のものに変え、少しだけ顔を歪ませる。
 ライラにはその表情の意味はわからない。それがなんなのかわからないまま、ライラは公爵に抱き直された。
 まるで大事なものを抱えるように。
 かつてライラを慈しんでくれた母親と同じように、優しい抱き方だった。
「私は……お前の父親だ。だから、お前の母親のことはよく知っている」
 それだけ告げると、彼はそのまま身をす。
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