夜風にさらわれたお姫様

その頃。

黒崎組本部ビル前。


白鴉組の車両が並んでいた。

夜風が吹く。

煌夜は静かにビルを見上げる。

その目は冷たかった。

「煌夜」

依吹が声を掛ける。

「準備できました」

煌夜は短く答える。

「あぁ」

そして。

静かに呟いた。

「――迎えに行く」


その声は、怒りと執着に満ちていた。
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