私が拾ったのは、千年前の皇子様でした
「千紘!」

私は勢いよく起き上がった。

そばには心配そうに、私を見つめる、
悠真の顔があった。

「悠真……」

自然と私の頬を涙が伝っていく。

「どうしたのだ!」

悠真はどうしていいのかわからないと言った様子で、
私を心配そうに見つめている。

「私……明日香村にいて……」

「え?」

「それで、兄上様を探して必死に走って……」

そこまで口にした瞬間だった。

ズキッー

頭に鋭い痛みが走る。

「っ……!」

目の前がぐらりと揺れた。

「千紘?」

悠真の声が遠く聞こえる。

「兄上様……私は……」

最後まで言葉にならない。

視界が真っ暗になり、私はそのまま意識を失った。
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