私が拾ったのは、千年前の皇子様でした
家に帰った頃には、
傘を差していたはずなのに、強い横殴りの雨で、
二人ともびしょ濡れになっていた。

二人で笑い合う。

「千紘の方が濡れている。風邪を引く前に風呂に入れ」

「でも、悠真だって濡れてるじゃん」

「我は、千紘より丈夫だ。風邪などひかない」

「私だって、そんなに風邪ひかないし」

「それとも、この時代では、『バカは風邪をひかない』というらしいからな。千紘はバカということか?」

「いや、そしたら悠真もバカってことになるから」

なんてくだらない会話なんだろうか。

でも、なんだか心地いい。

「ハクション!」

私は大きなくしゃみをした。

「だから言ったではないか」

悠真はため息をつくと、ひょいっと私を抱き上げた。

「早く風呂に入って温まれ」

そう言って悠真が、
脱衣所のドアを閉めようとした。

「一緒に入る?」

からかうつもりで言った。

でもーー

……言った瞬間、
自分で何を言ってるんだろうと思った。

「入らぬ!」

ドアが閉まる瞬間、
悠真の耳まで真っ赤になっているのが見えた。

「っ……」

自分で言ったくせに、そんな反応をされたら、
こっちまで恥ずかしくなるじゃん。

私は熱くなった頬を押さえながら、
浴室へ入った。

「っ……」

自分で言ったけど、そんな反応をされたら、
こっちまで顔が赤くなっちゃうじゃん……
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