雨暮くんは溺愛彼氏
 今日も、合唱部を見に行った。わたしのこころは決まっていた。雨暮くんは――。
(女に合わせるやわなやつだと思われるのが怖いので。テニス部とサッカー部を見に行きます。)
 朝、去り際に、手紙を渡されてすこし笑ってしまったよ。――あなたのことが大好きで。
 大好き。この感情は、当たり前のものなのだろうか。
 生まれて初めて男の子とつき合って。あんなにも急接近して。わたし、……どきどきしている……。
 雨暮くんの手紙はやっぱり雨のにおいがする。どきどきして、ときめく。
 見学が別なので別々に帰ろうとの話だった。でも、雨暮くんのことだから、わたしと同じ部活を選ぶ気がする。……ってなにさまのつもりなのかしらわたし。
 帰り道にあなたが恋しくなる。……一緒に帰りたかったな、やっぱり。
 見栄や人目なんてどうだっていいから。わたしとずっと、一緒に、くっついて、過ごしてくれないかな。
 はぁ。初めて握ったあなたの手はあたたかくて……やっぱり、男の子なんだと感じてしまった。手が大きくて。こころが広くて。――どんな嫌なことをされてもきっと、平然と受け流す。見たことがないタイプの男の子。
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