雨暮くんは溺愛彼氏
「階段気をつけてね! 」
じいじばあばのおうちに来ると結構暇だ。
中学生ともなると、母の心配していた通りで、なんとなく、いとこちゃんたちとは話が合わなくなってきて。わたしは早く友達とLINEしたいし、ううう。タブレットが触りたーい!
大人は一階で飲んだくれて好きに語り合っているので、子どもたちは二階のお部屋で過ごすのが定番化している。酒が入ると大人は声が大きくなるし、周りが見えなくなる。それでも、しっかりと、子どもたちに注意を入れるあたりは流石だ。……わたしは。
大切な、あなたからの手紙は、人前で広げたりなんかしない。
ひとりきりの時間に、大事に、楽しむの。……雨暮くん、なにしているかな。雨暮くんのところも、親戚で集まるって――言っていたよね。
ねえ。あなたのことを考えているのっていま、世界中にたったひとり、わたしだけ?
――会いたい。
突然、この星と月の夜に、ヴァンパイアのごとく空から現れて、わたしのことを、連れ去ってくれないかな。……ねえ、あなたに、会いたいよ……。