愛が壊れた時、策略御曹司の罠に堕ちていく
優しく触れた唇。こじ開けるように舌が割って入って、荒々しく口内を蹂躙していく落差と体を貫く衝撃に、脳裏が甘く霞んだ。
甘い罠に堕ちた私は、もう、彼なしではいられない。
言質をとった蓮の行動は早かった。
親への挨拶、引っ越しの手続き、全て彼が動いて、解決していく様子を、隣で見ているだけの私。
筋を通した蓮を気に入った父は、一つ返事で許していて、なぜか仲良くなっている。
「菜穂、蓮くんのような男は、なかなかいないぞ。逃がさないように捕まえておくんだぞ」
「僕の方が彼女に長い間片思いだったので、逃げられないように必死です。まぁ、離すつもりはないんですけどね」
「そう言ってもらえてよかったよ。菜穂が明るくなったのは、君のおかげだろう⁈前は、ロクな男じゃなかったようだしな」
父のいらない一言に、母が咳払いする。
まさか、その男の友人でしたとは、蓮も言えないようだ。
「彼女を幸せにしますから、安心していてください」
同棲の挨拶ではなく、まるで、結婚の挨拶のようだ。
「あははは、君になら菜穂を任せても大丈夫そうだ。信じているよ」
簡単に、承諾を得た後、蓮との同棲がわりとすぐにスタートした。