愛が壊れた時、策略御曹司の罠に堕ちていく

静かになったせいか、隣からの話し声がはっきりと聞こえてきた。

『あぁ、避妊してたのに、まさかの失敗。向こうの親にバレておろさせることも出来なかった』

聞き覚えのある声に、胸がザワザワしだす。

『転校生だった子?』

『違うだろ。一つ下の可愛い子だろ⁈遼に本気になってグイグイきてたもんな』

友人らは、それぞれに思い当たる人物をあげているらしい。

『菜穂は、家の片付けやご飯はうまいけど…抱いててもつまんなかったからな…彼女の方が刺激的で…遊ぶのに丁度よかったのに、妊娠だ。狙ってた西園寺も結婚するらしいし、俺の人生詰んだ』

あー、そうだったんだ。

口数が少なかったのは、話す価値もないセフレだったからだ。

遼にとって私は家政婦で、気が向いた時の性欲処理だったと知ったが、悲しみよりも、妙に納得する自分に笑えた。

『遊んでいた女を妊娠させるなんて、バカだな。まぁ、元気出せ』

隣にいる蓮が、ワナワナと肩を震わせていく。

『アイツ…』

蓮は友人だと思っている男のクズさに、ムカついているようだ。

意外と冷静な私は、今にも隣に乗り込んで行きそうな蓮の腕を掴み、首を左右に振って(大丈夫だから)と唇を動かす。

彼氏だと信じていた男の言葉を盗み聞きし、信じていた全てが崩れていった。
< 39 / 73 >

この作品をシェア

pagetop