神の愛
「昨日、伊倉くんから色々話を聞いてね。その子の状況とか名前も。それ以外の情報もね。市役所での照合結果も一応、聞いたよ。そういえば、子ども課はちゃっかり、児相に連絡したみたいだけど」
「まあ、子ども課は、それが業務みたいなところありますからね」
「まあね。あ、まあ、それでこっちでも伊倉くんから話を受けて、業務外だろと思いながら確認はしました。そしたら、色々と分かってね」

 俺の言葉に頷きながら藤倉さんは話を続ける。

 本当に何で業務外のことをやらせてんだ。それも天下の捜査一課の刑事に。どれだけ、俺の事情を知っていても流石に業務外だろ。

「結論から言うと、恵くん本人の情報はなかった」

 藤倉さんの口から発された言葉にだろうなと納得した。

 子ども課が把握してない子ども情報を警察が得られるわけがない。警察で分かるのは事件に関係した人物の情報だ。ただの一般市民の、それも赤ちゃんの情報が一日そこらですぐに手に入る方がおかしい。

「恵っていう漢字の名前の4~6か月くらいの男の子関係の事件は二件確認が取れた。でも、一人は今も確実に両親がいて、もう一人は読み方が「めぐみ」じゃなくて「けい」。だから、その恵くんとは違う。つまりは恵くんは市内では事件に巻き込まれてはいない」

 藤倉さんの視線がベビーカー内でハイテンションに動き回っている恵に向く。藤倉さんが見た瞬間、数秒、恵の動きが止まり、恵が彼の方を見ていた。だが、一瞬後にはすぐにまたハイテンションに動き出した。
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