私が私でいられたのは
1章 スタートの鐘
時刻は朝の6時。
部屋中にスマホのアラームが響き渡る。
私ー星崎愛は顔をしかめてベットから起き上がった。
そしてスマホに視線を落としアラームを止める。
今日は新学期だ。
私は少し浮かれている。
新しい環境、新しいクラスメイト、新しい先生…。
なにもかも新しいものばかり。
今は頑張ろうと思えているがついこの間まではそんな気持ちは1ミリもなく憂鬱な気持ちで溢れていた。
なぜなら5年生のクラスが最高すぎたからだ。
先生は面白いし優しい。
クラスメイトは面白いし男女関係なく仲がいい。
なんて「模範的な理想のクラス」なのだろう。
そんなクラスだったからこそ春休み中はクラス替えが不安でしょうがなかった。
朝食を済ませ、顔を洗うと私はメイクタイムに入る。
もちろん、小学校の校則でメイクは禁止されている。
なのでバチバチには決めない。決められない。
コンプレックスの鼻を高く見せたり、顔を小さくみせる化粧をするだけだ。
あとは仕上げにチークで血色感をつける。
私がメイクを始めたのにも理由がある。
5年生の頃容姿についていろいろ言われていたからだ。
「ネタだから」
と、自分に言い聞かせつつも心のどこかでは傷ついていた。