最強総長は姫を譲れない。

転勤

「えっ……て、転勤?」


ある初夏の日。


もうすぐ春休みに入る時期だ。


中2のわたし箭橋咲姫(やはしさき)にお父さんが告げた言葉は、転勤の話だった。


お父さんの仕事柄、転勤は付きものと分かっていた。


今までも、わたしが生まれてすぐ、小学校に上がって少し経ったころ、小学6年生の時、すでに3回、転勤で引っ越している。


だから、特に驚きもしない。


けど、今回の転勤先はこれまでと違い、遠いところに移り住まないといけなく。


……でも、本題はそこじゃない。


わたしのお母さんだ。


お母さんはもともと病弱で、去年から入院している。


今の家からなら、頑張れば自転車で通える距離だったのだけれど、もし引っ越してしまったら……


もちろん、今のように気軽に会うことはできなくなる。


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