冷たい狼さん、私にだけは甘いです?!
―来ないでほしかったよ。

輝先輩!

なんでなの?



んーん!

私じゃないかもだしね。

まだ、確定してない!



あとは、知らんぷりを決めよう。

うん、そうしよう。


「…朱里。」


どーしてかなぁ。

でも無視は無視で何か言われるんだろうなぁ。

…めんどくさい。


「なんですか?輝先輩。」

「…。」


え、何か話してください?

周りの視線が怖いんです。


「朝逃げた気がしたから。」

「…。」


えぇ~、それ持ち出しちゃいます?


「?」

「えと…。」


沈黙が苦しい、視線が痛い。

この雰囲気厳しい…!




頭回せ、考えて!


「えと…ぶ、部活で忘れ物しちゃって、取りに行ってたんです!

だから…なんか、すみませんでした。」


…恐る恐る、顔をあげたら…


「!」


な、なんで先輩笑ってるの?

え、わかんない。


「…そう、ならいいや。」

「へ?」


そう一言、先輩は帰っていった。

あ、嵐?



今回、先輩が笑ったのは周りにバレてなかったみたい。

だから女子たちは、戸惑いながらも先輩を追いかけていった。


「…菜々葉。」

「な、なに?」

「…なんか、先輩に好かれてる?」

「え、やめてよ。笑えない冗談。」

「えぇー、ありえると思うけどなぁ。」


そんな怖いこと言わないで。

もしそうだったとしたら…



私、一体何人を敵に回すの?
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