物置小屋令嬢、気づけば最高位の貴族になっていました ~家族に厄介払いで嫁がされた先で、楽しく物づくりした結果~

31話

「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
 プールサイドにいる全員が絶句していた。
 私も含めて……。


 時はほんの少しだけ前に遡る。

「ソフィーナ君。普段やっているような水魔法をここで放ちなさい」
「はい」

 今度こそ、セドム先生からだけでも困らせないようにしなきゃ!
 今度こそ、セドム先生を安心させなきゃ!
 そればかり気にしていて、セドム先生ばかりを見ていた。

「ねぇ、ソフィーナ!」
「ひゃ!!」

 声の主はヴィーネ義姉様。
 後ろからいきなり声をかけられ、驚きのあまり私の右手にある魔力が垂れ流れてしまった。
 しかも、水を具現化させる準備万全状態。

 右手からは滝が流れるような勢いでプールに水が注がれてしまう。
 私は当然として、そばにいたヴィーネ義姉様も水しぶきに打たれて全身水浸し。
 二人とも私服だったため、色々と微妙に透けている。
 慌てて魔力を止めるがすでに時遅し。

「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
 私も含め、プールサイドにいる全員が絶句していた。
 最初は空っぽだったプールには、プール開きができるほどの水が溜まってしまった。
 トイレ数百回分の水を出してしまい、途方に暮れていた。

 セドム先生がようやく口を開いた。

「と、まぁこんな感じで、ソフィーナ君は次席に見合う魔力を持っているからな。今後彼女をバカにしないように」
「いや、次席ってより世界一じゃね……?」
「ってことは、首席のヴィーネ様ってもっと強力な魔力を持っているってことか!」
「見てみたいぜ。俺たちのアイドルヴィーネ様の実力も!」

 私の魔力無力疑惑は晴れたらしい。
 だが、今度はヴィーネ義姉様に注目が集まった。

「「「「「ヴィーネ様! ヴィーネ様っ!!」」」」」
「う……」

 ヴィーネ義姉様の顔から汗が流れ、唾をごくりと飲み込んでいた。

「今はこっち見ないでっ!」

 ヴィーネ義姉様は透けた服を押さえながらいちもくさんに退散した。
 私も主要箇所は手で覆って隠しておく。

 だが、ここで今までではあり得なかったことが起こる。
 男子の嫌らしい視線から守ってくれるかのように、女子たちが私を囲ってくれたのだ。

「すごいですわソフィーナ様!」
「え?」
「やっぱり入学試験での魔力は本物だったのですね!」
「これだけの水を手から放出したところを間近で見ましたもの。これが不正だなんて疑うはずもありませんわ」
「むしろ、ずっと疑ってしまっていてごめんなさい」

 あたたかい言葉を聞き、心もあたたかくなった気がする。

「こほん……。生徒諸君。ソフィーナ君の魔力はこのとおり素晴らしいものがある。だが、このことは決して家族含め他言しないように!」
「「「「「「「「「「はーい」」」」」」」」」」

 この日、一日中男女問わずクラスメイト(ヴィーネ義姉様以外)からずっと話しかけられ、賑やかな学園生活を過ごすことができた。
 魔力のことはバレてしまったけれど、大丈夫だよね?
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