紺桔梗の転調



 中学二年のクラス替えでコーちゃんと離れ、代わりに曜汰と高ちゃんと同じクラスになった。

 帰宅部の曜汰はバトミントン部の高ちゃんと仲が良い。パッと見陽キャな高ちゃんは、人が良いが故に、部内で舐められていた。同じバトミントン部の私は、ちょっとしたパシリ的な高ちゃんを近くで見る。普段は仲良いけど、めんどい時にちょっと都合の良い人、みたいな。

 曜汰だったら、完全無視だろうな。それか、は? って言い返すか。

「ごめんりほ、次の授業、教科書見せて」

 秋、窓際の席の曜汰が、本当に久しぶりに声をかけてきた。緊張感なく、淡々とした様子である。位置的に、私に頼まざるを得ないのだろう。

「いいよ、落書きないかな。チェックしとこう」

「あっても何も思わないよ」

 こっちをじっと見る、冷えた瞳が謎に美しい、曜汰は綺麗だ。曜汰に呼び捨てされた、前も呼び捨てだったけど、今も呼び捨てするんだ。りほ、だって。

 なんか、ちょっとドキドキする。



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