紺桔梗の転調
大学が近づくにつれて、同じく傘を差す学生の数が増える。恐らく、午前9時開始の一限を受けるだろう、向かい側を歩く人々の中の1人が、大きなあくびをした。
すっごいあくび。静かにクスッと笑った私に気付いた、目を擦る 高井君がおーいと手を振る。
「宮ちゃん、おはよ。今日は課題の発表だな」
「おはよう。発表、人多いし、緊張するよね。ていうか……」
高井くんの差す、とても大きな傘について触れると、彼は気付いた? と笑顔を見せた。