再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
「お疲れさま」

その日の午後、外出先から戻ってきた副社長は有名和菓子店『霜月堂(しもつきどう)』の紙袋を手にしていた。

「お疲れさまです」

「緑ちゃん、これお土産。みんなで食べて」

「いいんですか? ありがとうございます」

「美桜ちゃんも遠慮せずに食べてね。ここのいちご大福、絶品だから」

副社長は私にも声をかけてくれた。
この店は、数量限定の栗まんじゅうやいちご大福が有名だ。
栗まんじゅうは並ばないと買えないと聞いている。
いちご大福も、いつか食べてみたいと思っていた。

「ありがとうございます。いただきます」

自然と声が弾む。

「美桜ちゃん、ちょっと休憩しておやつタイムにしよう。副社長、飲み物はなにがいいですか?」

「濃い抹茶でと言いたいところだけど、ブラックコーヒーでお願い」

「分かりました。美桜ちゃん、給湯室に行こう」

「はい」

緑さんに促され、私は彼女のあとを追って給湯室に入る。

「この黒のマグカップが副社長のね。で、この白と黄色のストライプが社長のやつ」

緑さんが棚に置いていたマグカップの説明をしてくれるので、しっかりと記憶していく。
他にも社員さんのものであろうコップが、いくつか棚に置かれていた。

「まぁ、この二個だけ覚えておけば完璧よ。それ以外のお揃いのコーヒーカップは来客用ね。男性陣は基本、紙コップでオーケー。女子は飲みたくなったら勝手にするし、美桜ちゃんも自分用のマグカップを用意しておけばいいよ」

「分かりました」

棚を見ながら頷く。
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