再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
「本当に昨日のこと、覚えてないんだな……」

俯いたまま呟いた声は小さくて、はっきりと聞き取れなかった。
けれど、一瞬だけ表情が曇っていたように見えた。

少しの沈黙のあと、ゆっくりとテツは顔を上げる。

「だったら、俺を好きになればいい。いや、もう一度好きにさせる」

不敵な笑みを浮かべ、迷いなく言い放った。

「な、なにを言ってるの……」

思わず声が裏返り、心臓が早鐘を打つ。

「確かに結婚は先のことかも知れない。でも、俺はそのつもりだから。二度とガキの頃のような失敗はしない」

一度言葉を切り、私を真っ直ぐに見つめる。

「目の前に好きなヤツがいるんだ。順番は逆になったけど、俺は本気で攻めるから」

テツは私の頬に手を添え、顔を近づけてきた。
視線が絡んだ瞬間、体が動かなくなる。

あれ?
この表情はなんとなく覚えてる。
そして、このあとになにをされたのかも……。

「っ……」

昨日の記憶が断片的に蘇り、恥ずかしさで視線を泳がせる。
全部、はっきりとは思い出せない。
けれど、私はテツを受け入れたんだ。
そう自覚した途端、まだ体に彼の熱が残っている気がした。

テツはふっと目を細めて囁く。

「覚悟しとけよ」

偉そうな言葉とは裏腹に、彼は私の唇に優しいキスをした。

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