御影市大新年会2009
作者のナレーションをぶち壊しにして、激しい打擲音が静寂を破った。

その音にメグは目を覚まし、傍らで目を閉じていた梟の使い魔・長老もパチリと眼を開く。

…洋館全体に張り巡らされた結界に、反応はない。

この結界は敵意を持ったものには過剰な反応を示す。

それがないという事は、ただの来客なのだろうか?

それにしてもこんな深夜に来客とは一体…?

パタパタとスリッパの音を立て、廊下を歩くメグ。

玄関先に出ると。

「よーっす、四門!ハッピーニューイヤーだな」

そこには見慣れた灰色の毛が風に揺れていた。

人狼のジルコー。

そしてその隣に、申し訳なさそうに立っている天羽桜花の姿。

「どうしたのよ?こんな夜更けに。何かあった?」

もしや緊急事態か。

メグの表情に緊張が走る。

「おう、あったあった。知ってるか?年が明けたんだぜ?」

上機嫌にジルコーが言った。

「ごめんなさいメグさん…ジルコー酔ってて…」

恐縮そうに桜花が頭を下げた。

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