僕の父親はコックリさん
 洸平がずっと胸にひっかかっていたことを言う。川べりを歩いていたなら聞こえていても不思議はないけれど、三人は全く別の道を歩いていたのだ。普通なら聞こえない。
「なんか最近耳がいいんだよ」
 正雄はそう言って自分の耳に指を突っ込んでみたりしている。どうしてそこまで音が聞こえるようになったのか、自分でもわかっていないみたいだ。
「まぁとにかく、助かってよかったよなぁ」
 溺れていた少年は雨で増水した川に興味を持ち、橋の上から身を乗り出して眺めていたらしい。そのときつい身を乗り出しすぎて、そのまま転落してしまったのだそうだ。
 橋の上から落ちてもどこも体をぶつけなかったのは奇跡だ。
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