口説いてんの?
☆ ☆

薫子は、両手を広げて身体を伸ばした。

「そう。ごめんね、先に寝ちゃって」

「いえ、大丈夫ですか?」

「ちょっと、残ってるかも・・・」

薫子は、こめかみを押さえて

顔を歪めていた。

「薫さん、俺とキス出来ますか?」

薫子の耳に届いた言葉は

あまりにも唐突だった。

まだ、脳が目覚めてない感覚もあり

訊き間違いかと思ったので

凪斗に顔を向けて訊き返した。

「なんて言ったの?」

「俺とキス出来ますか?」

彼は一語一句はっきりとした口調で言い

試すような瞳を向けていたので

動揺を悟られないように

さりげなく視線を逸らした。

でも、頭の中では色んな考えが舞っていた。


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