フラワーリング
私はこのブライダルフェアが好きだ。
ドレスや花、アクセサリー。
たくさんの「好き」が集まって、ひとつの結婚式を作り上げていく。
その始まりを見られるこの時間が、たまらなく好き。
会場に足を踏み入れると、すでに準備は始まっていた。
スタッフたちが慌ただしく行き交う中。
「紬ちゃん、おはようございます!」
真っ先に私を見つけて手を振ったのは、ウェディングプランナーの神崎ひかりさんだ。
そしてここで少しだけ近況を話す。
「今日は新作ですか?」
「はい。ひかりさんに見てもらうの、ちょっと緊張します」
「ふふ。毎回言ってますよね」
ひかりさんは前と少し雰囲気が変わった。
柔らかな笑顔はそのままなのに、どこか満たされたような穏やかさがある。
きっと、大切な人がいるからだろう。
「あ、そうだ。後で写真送りますね」
「楽しみにしてます」
そう言って笑うひかりさんに、思わず私も笑ってしまった。
「――あ、いけない」
ひかりさんは腕時計に目を落とした。
「今日から新しいフラワーデザイナーさんにお願いしているんでした」
そう言って小さく笑う。
「お迎えに行かないと。また迷子になられたら困りますし」
「迷子?」
思わず聞き返すと、
「ふふ。会ったら分かりますよ」
意味深な言葉だけを残して、ひかりさんは裏へ戻っていった。
ドレスや花、アクセサリー。
たくさんの「好き」が集まって、ひとつの結婚式を作り上げていく。
その始まりを見られるこの時間が、たまらなく好き。
会場に足を踏み入れると、すでに準備は始まっていた。
スタッフたちが慌ただしく行き交う中。
「紬ちゃん、おはようございます!」
真っ先に私を見つけて手を振ったのは、ウェディングプランナーの神崎ひかりさんだ。
そしてここで少しだけ近況を話す。
「今日は新作ですか?」
「はい。ひかりさんに見てもらうの、ちょっと緊張します」
「ふふ。毎回言ってますよね」
ひかりさんは前と少し雰囲気が変わった。
柔らかな笑顔はそのままなのに、どこか満たされたような穏やかさがある。
きっと、大切な人がいるからだろう。
「あ、そうだ。後で写真送りますね」
「楽しみにしてます」
そう言って笑うひかりさんに、思わず私も笑ってしまった。
「――あ、いけない」
ひかりさんは腕時計に目を落とした。
「今日から新しいフラワーデザイナーさんにお願いしているんでした」
そう言って小さく笑う。
「お迎えに行かないと。また迷子になられたら困りますし」
「迷子?」
思わず聞き返すと、
「ふふ。会ったら分かりますよ」
意味深な言葉だけを残して、ひかりさんは裏へ戻っていった。