鏡花水月
第二章、校外学習
「ミカちゃん、チョコ食べる?」
「わー、欲しい!お返しにグミあげるね」
「私もちょうだい!」
校外学習の朝。
待ち合わせ時間よりだいぶ早く到着していた私達は、まだ姿を見せていないサエちゃんを待つ間、退屈しのぎにお菓子の交換合戦を始めていた。
和気あいあいとチョコやらグミやらを出し合っている。
それだけで、まるで小さなパーティーが始まったかのような賑やかさだ。
「紫乃ちゃんにもあげるね」
リンちゃんが、きらきらした個包装のグミを差し出して微笑む。
「良いの?じゃあ、この飴あげる!」
私はブレザーのポケットに入っている、お気に入りの猫柄の巾着から、包装紙に包まれたレモン味の飴を取り出し、三人に手渡した。
「ありがとう! レモン味大好きなんだよね」
ミカちゃんは嬉しそうに飴を受け取ると、さっそく器用に包み紙を開けて口に放り込んだ。
「あ、サエちゃん来た!」
リンちゃんが駅の改札の方を指さす。
通勤通学の人混みの向こうから、少し肩を上下させ、息を切らせながらこちらに手を振って走ってくるサエちゃんの姿が見えた。
「ごめんね、待たせちゃった?」
「ううん、大丈夫だよ〜」
これで班のメンバーが全員揃った。私のポケットに入っているルートマップは、昨晩何度も見直して、曲がる角や目印に蛍光ペンでしっかりと線を引いてある。準備は万端だ。
「よし、全員揃ったね。じゃあ出発しよっか!」
私が声をかけると、みんなが笑顔で「はーい!」と頷いてくれた。
サエちゃんはまだ少し息を切らせていたけれど、ミカちゃんがすかさず「サエちゃん、これ食べなよ」と、まだ巾着に残っていた飴玉を差し出す。
「わあ、ありがとう!生き返る〜」
飴玉を口に放り込んで、サエちゃんが幸せそうに目を細めた。その様子を見て、私の中にあった「馴染めるかな」という緊張が、すっと解けていくのが分かった。
「よーし、道案内は君達四人に任せた。私は方向音痴だから!」
と、ミカちゃんは胸を張って、なぜか誇らしげにドヤ顔で手を上げた。
「「「「え?」」」」
その場にいたミカちゃん以外のみんなの息が合った。
なんとか予定通りの電車に乗り、さらに別の電車に乗り継ぐ。
ボックスタイプの座席に座り、ガタンゴトンとしばらく揺られる。
その時、パッと車窓が開け、遠くにキラキラ光る海が見えた。
「あ、海!」
私は窓の外を指す。ミカちゃんは慌てて振り返るが、海が見えたのは一瞬のことで、すでに景色は流れてしまっていた。
「言うのが遅いよ〜!」
頬をぷくっと膨らませて理不尽に怒るミカちゃんに、四人でくすくす笑う。
そんなことをやっている間に、気づけば電車は駅に到着していた。
プシューと電車のドアが開き、みんな目を輝かせて外に出る。
駅の改札を抜けると、海沿いだからか磯の香りが鼻をくすぐった。
「わー、欲しい!お返しにグミあげるね」
「私もちょうだい!」
校外学習の朝。
待ち合わせ時間よりだいぶ早く到着していた私達は、まだ姿を見せていないサエちゃんを待つ間、退屈しのぎにお菓子の交換合戦を始めていた。
和気あいあいとチョコやらグミやらを出し合っている。
それだけで、まるで小さなパーティーが始まったかのような賑やかさだ。
「紫乃ちゃんにもあげるね」
リンちゃんが、きらきらした個包装のグミを差し出して微笑む。
「良いの?じゃあ、この飴あげる!」
私はブレザーのポケットに入っている、お気に入りの猫柄の巾着から、包装紙に包まれたレモン味の飴を取り出し、三人に手渡した。
「ありがとう! レモン味大好きなんだよね」
ミカちゃんは嬉しそうに飴を受け取ると、さっそく器用に包み紙を開けて口に放り込んだ。
「あ、サエちゃん来た!」
リンちゃんが駅の改札の方を指さす。
通勤通学の人混みの向こうから、少し肩を上下させ、息を切らせながらこちらに手を振って走ってくるサエちゃんの姿が見えた。
「ごめんね、待たせちゃった?」
「ううん、大丈夫だよ〜」
これで班のメンバーが全員揃った。私のポケットに入っているルートマップは、昨晩何度も見直して、曲がる角や目印に蛍光ペンでしっかりと線を引いてある。準備は万端だ。
「よし、全員揃ったね。じゃあ出発しよっか!」
私が声をかけると、みんなが笑顔で「はーい!」と頷いてくれた。
サエちゃんはまだ少し息を切らせていたけれど、ミカちゃんがすかさず「サエちゃん、これ食べなよ」と、まだ巾着に残っていた飴玉を差し出す。
「わあ、ありがとう!生き返る〜」
飴玉を口に放り込んで、サエちゃんが幸せそうに目を細めた。その様子を見て、私の中にあった「馴染めるかな」という緊張が、すっと解けていくのが分かった。
「よーし、道案内は君達四人に任せた。私は方向音痴だから!」
と、ミカちゃんは胸を張って、なぜか誇らしげにドヤ顔で手を上げた。
「「「「え?」」」」
その場にいたミカちゃん以外のみんなの息が合った。
なんとか予定通りの電車に乗り、さらに別の電車に乗り継ぐ。
ボックスタイプの座席に座り、ガタンゴトンとしばらく揺られる。
その時、パッと車窓が開け、遠くにキラキラ光る海が見えた。
「あ、海!」
私は窓の外を指す。ミカちゃんは慌てて振り返るが、海が見えたのは一瞬のことで、すでに景色は流れてしまっていた。
「言うのが遅いよ〜!」
頬をぷくっと膨らませて理不尽に怒るミカちゃんに、四人でくすくす笑う。
そんなことをやっている間に、気づけば電車は駅に到着していた。
プシューと電車のドアが開き、みんな目を輝かせて外に出る。
駅の改札を抜けると、海沿いだからか磯の香りが鼻をくすぐった。