傲慢すぎる警視に衛られて愛される
愛は逢坂を睨みつけた。


「なんだ、その目は」

「こんなこと、許せません」

「お前の許しなんか必要ないだろ」

「警察のすることじゃない」


逢坂は鼻で笑う。


「何、笑って」

「犯罪者を逮捕するのが警察だ。護ることじゃない。勘違いするな」

「逮捕できれば、被害者の心の傷はどうでもいいですか?」

「彼女は自ら望んでやっている」

「そんなわけ」

「いいか、よく聞け。ストーカーが捕まるまで被害者はずっと怯え続けないといけない。被害がなければ、捕まえることができない。だったら罪を犯してもらうしかないんだよ」

(逢坂さんの言い分もわかる。でもこんなやり方は、被害者に恐怖を与えるだけ。それに……)

「もし間に合わなかったら、どうしたんですか?」


愛はさらに鋭く逢坂を睨みつけた。


「もし熊田が刃物を所持していたら、どうしたんですか」

「あいつは、そんなこと出来ない」

「わからないです!」


愛は気が付くと涙を流していた。


「お前、いったい誰の話をしているんだ」


逢坂の眉間に皺が寄り愛はハッとして急いで涙を手で拭った。

逢坂はため息をつくと車から手を離した。


「どけ」


愛は素直に運転席のドアから離れる。

逢坂は運転席に乗り込んだ。


「お前は、このままもう帰れ」


そう言うとドアを閉めた。

エンジンがすぐにかかり、愛は後づさる。

逢坂が運転する車は走り出し、ぽつんと愛はその場に残された。
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