モフモフ王子様のお世話係になりました!~イケメン王子と秘密の共同生活~
4話 家へ来る?
「ね、うちにくる?」
パンダは人の言葉が分かるわけないよね。
苦笑した、その瞬間――。
パンダは、コクリと首を縦に振った。
「えっ!?」
わたしは思わず後ずさる。
「い、今うなずいた!?」
パンダは、じーっとこちらを見つめる。
「いやいやいや! そんなわけないよね!? パンダが人の話を理解するなんて!」
すると――
コクリ。
「うわああっ! またうなずいたーっ!」
心臓がドクンと跳ねる。
見間違いじゃない。
偶然でもない。
このパンダ、絶対にわたしの話を聞いてる!
「えっと……もしかして、うちに来たいの?」
おそるおそる聞いてみる。
するとパンダは、
コクン!
今度はさっきより力強くうなずいた。
「そんな元気よく返事しないで!?」
わたしは思わず叫んだ。
パンダは満足そうに「ふんすっ」と鼻を鳴らす。
さらに、ふわふわの前足を伸ばして、わたしの制服の袖をちょこんとつまんだ。
「ひゃっ!」
その仕草があまりにも可愛くて、変な声が出る。
「ちょ、ちょっと待って! そんな顔で見ないで!」
うるうる。
くりくり。
まんまるの瞳が、まるで子犬みたいにこちらを見上げている。
「ずるい……」
思わずつぶやく。
「そんな目されたら断れないじゃん……」
パンダは期待いっぱいの顔で首をかしげた。
「くぅん?」
「かわいいーっ!!」
わたしは頭を抱えた。
「なにこれ!? 反則でしょ!? こんなの絶対反則だよね!?」
パンダは得意そうに胸を張る。
「いや、褒めてないからね!?」
だけど――。
こんな竹やぶに置いていくなんてできない。
しかも、相手はパンダだ。
ニュースになっていた、あのパンダそっくりの。
わたしは大きく息を吸った。
そして――。
「あ、あ~っ、もうっ!」
両手をぶんぶん振り回す。
「パンダを拾っちゃうしか選択肢ないじゃない~っ!!」
「ぱぁん♪」
パンダは嬉しそうに両前足を上げた。
「返事したーっ!?」
わたしの悲鳴が、夕暮れの竹やぶに響きわたった。