君が照らす人生は、いつだって温かい
◇
電車は、ちょうどいいタイミングで来た。
夜の各駅停車。
車内は、部活帰りらしき学生と、
仕事帰りの人たちが半分くらい。
ドアの横の二人掛けの席が空いていたので、
自然とそこに並んで座った。
窓に映る、自分たちの姿。
先輩のギターケース。
私のトートバッグ。
――なんか、バンドマンっぽい。
自分でそう思った瞬間、
ちょっとだけ笑いそうになった。
「どうだった?」
隣から、声がする。
「今日のライブ」
「どう、って」
「点数つけるとしたら」
春日井先輩は、
つり革を指でくるくるしながらこちらを見た。
点数。
いつもの癖で、厳しめにつけようとする。
「……六十五点くらいですかね」
「意外と高いな」
「春日井先輩は?」
「五十五点かな」
ちょっと低かった。
「ギターソロ、完全に指もつれてたし」
「〝あっ〟って言ってましたね」
「あれ、マイク拾ってた?」
「ばっちり」
「最悪だ……」
春日井先輩が、シートに頭をがくっともたれかける。