君が照らす人生は、いつだって温かい
「でも、お母さんの顔見たら、〝どうせ反対される〟って先に諦めちゃって」
言葉を重ねながら、
自分の中の『諦めグセ』がどこから来ているのか、
ぼんやりと分かってくる。
「〝何やっても途中でやめる〟って、ずっと言われてきたから」
ピアノ。
合唱コンクール。
塾。
「だから、〝また怒られるくらいなら、黙ってやって、終わってから謝ったほうがマシ〟って思っちゃった」
義母の表情が、わずかに揺れる。
「……それは、私が悪かったわ」
ぽつりと言った。
「〝途中でやめた〟ことばかり見て、〝途中までやった〟ことをちゃんと見てこなかった」
その認め方は、逆にずるい。
「でもね」
義母は、深呼吸をひとつした。
「だからって、〝黙ってやっていい〟理由にはならない」
「分かってる」
「あなたは、〝勝手にやる自由〟を手に入れたいのか、〝一緒に考えてくれる味方〟を増やしたいのか、どっちなの?」
思ってもいなかった問いだった。
どっちでもいい、
と笑い飛ばせたら、どれだけ楽だろう。
「……味方がほしい」
気づいたら、そう答えていた。
「勝手にやる自由だけあっても、たぶん私、途中で折れるから」
川沿いの夜。
欄干。
「誰かに、〝行ってこい〟って言ってほしい」
義母は、しばらく私を見ていた。
その視線が、怖いようで、どこか安心でもある。
「じゃあ」
やがて、ゆっくりと口を開いた。