君が照らす人生は、いつだって温かい



駅までの道は、
文化祭の名残で少しだけ賑やかだった。

出し物の看板をまだ持ったままの一年生。

クラスTシャツのまま写真を撮るグループ。

浴衣から着替え損ねた子もいる。

その喧騒から、
少しだけ外れた歩道を並んで歩く。



「今日は、何点ですか」



先に口を開いたのは、私だった。



「文化祭ライブの自己採点?」



「はい」



春日井先輩は、空を見上げる。



「そうだな……九十点」



「高っ」



「十点は、〝もっと続けたい〟欲」



少し笑う。



「山谷さんは?」



「八十五点」



「具体的」



「十五点は、MCのとき噛んだところ」



「〝バンド名決めきれてないので〟のとこ?」



「はい。〝きめきれないので〟って言いました」



「かわいかったけどな」



さらっと言われて、言葉が詰まる。

そんな一言で、
いちいち心臓が忙しくなる。



「今日、お母さんと何話せた?」



歩道の白線を踏みながら、
春日井先輩が聞いてきた。



「ライブの音響割れや音量」



「怒られた?」



「ちょっとだけ」



笑う。



「でも、〝迷惑をかけない良い子じゃなくていいから、私の大事な娘でいなさい〟って言われた」



「それ、だいぶ名言じゃない?」



「でしょ」



のどの奥が、じんわりあたたかくなる。
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