君が照らす人生は、いつだって温かい
「……今、足のこともあるしさ」
今、その話題を出すのは、
少し勇気がいると思う。
「このまま無理して走りながら、〝これくらい平気〟って言い続けると、なんだか心配になる」
美由紀は、
指を鍵盤の上に乗せたまま、こっちを見る。
「もし、どこかで一回休まなきゃいけなくなったとき。止まった自分が、何もすることなかったら、一番しんどいよ」
静かな言葉。
「バスケをやめろって話じゃないよ」
すぐ付け足す。
「ただ、〝大怪我〟する前に、今はただバスケのことは忘れてもよくない?って話」
音楽室の静けさの中で、
その言葉だけが、やけに大きく響いた。