フィクション

本文

『リアリティがない』
 その前評判通り、酷い映画だった。私はシャワーを浴びながら苦笑した。何の脈絡も整合性もなく、とにかく登場人物が呪われ死んでいくのだ。本当に酷い映画だったと自分に言い聞かせる。
「そうかな」
 不意に友人の言葉が蘇る。
「私はリアルに思ったよ。だってこの世界は理不尽なことで溢れてるから」
 背後に気配を感じた。いつもならすぐに振り返るのに、どうしてもそんな気分にならなかった。
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