台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
「……この辺ならいけるかな」
薄い微笑みを浮かべた紫苑が、長い指でそっとジェンガのひとつを前に押す。
瞬間、タワーごと前に傾いて、ガシャーン!と大きな音を立ててそれが崩れ落ちた。
「うわっ、やらかした――……」
紫苑があちゃー、と肩を落として、床に落ちたジェンガを拾い上げる。
(紫苑が1負け!?)
驚きすぎて、思わず前のめりになった。
「わ、意外な人が脱落した!」
彩加とひよりもざわつきだす。
チラリと美玲の方を見ると、彼女も驚いた顔をしている。
「っしゃ、セーフ!二回戦っスね!」
「はー……紫苑には悪いけど、生き残れてよかったよ」
陸と大和は、少しも驚いたり焦ったりしていない。
爽真もずっと不服を醸し出しているけど、飄々としている。
……ということは。
紫苑の負けは、事故じゃない。