台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
――――
――……
「さて。優勝者の爽真くん。
花火大会のお相手を選んでもらいましょーか」
彩加がこれ以上ないくらい楽しそうな顔で、マイク代わりの拳を爽真の前に差し出す。
初回のインタビューで、“強いて言えば美玲”と発言した以外、爽真はあまりみんなの前では積極的なアプローチをしてこなかった。
だから、私・紫苑・美玲以外のメンバーは、爽真から発信されるちゃんとしたアピールに興味津々なようだ。
美玲は心配そうに爽真のことを見つめている。
紫苑は笑顔を保ったまま。
いろんな感情がないまぜになって張り詰めた空気に、私まで緊張してきた。
ドキドキしたところで、答えはわかっているのに――
みんなの視線を一手に集める爽真は、面倒くさそうに涼やかな目線を外に投げる。
それからしばらく黙って、ゆっくりと視線を元に戻していく。
その目が一瞬。
本当にさりげなく、私のことを見つめて止まる。
かと思えばふっと無感情な顔になって、すぐに正面に向き直った。
「美玲を誘う」