台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―

「なんで瑠奈と紫苑くんなのか、知りたいー?」

カメラに向かってずい、と身を乗り出して、上目遣い。

素直に“知りたい”と答えるコメントと、ムカつくから言わなくていいというコメントが真っ二つに分かれた。


「今日のミッションの相性一致クイズでぇー……
私と紫苑くんの相性が、いっちばんよかったんだよね♡」


憎らしいくらいの溜めを作って、「ねー♡」とご機嫌に紫苑の肩を叩く。

“瑠奈の押しに困っている紫苑”は、なんとも言えない絶妙に微妙な笑顔だ。

「犬派?猫派?みたいな好みの質問から、告白するなら直接?通話?みたいな価値観の質問までかなり一致したから、正直びっくりはしたけど……
あ、これ中身言っていいやつだったのかな」

紫苑がわかりやすく“やらかした”の顔を作る。
“相性一致は認めるけど、それを喜んでいるかは別”というニュアンスの出し方が上手い。

「詳しくはねっ♡来週のアオバケを観てほしいんですけどぉ。
今日はこれから、実際に瑠奈と紫苑くんの相性の良さをご覧に入れたいと思いまーす♡」


>>うざ
>>るな、めっちゃ嬉しそうで草
>>しおん置いてけぼり
>>みれいちゃんとしおんくんの相性はどうだったんだろ


面白いくらい狙った通りに運ぶコメントの流れに心の中で頷いて、スタッフからAとBの手札を受け取る。

チラ、と巻さんを伺えばまだ厳しい顔なものの、椅子の背もたれにゆったりと背を預けている。

「今から五問、私たちがミッションでやった相性一致チャレンジを実演します♡」

「せーのであげればいいんだよね。
うわ、こういうの緊張する」

私が紫苑の肩に頭を寄せると、紫苑はさりげなく私との間隔を空けてくる。

>>これで全部不一致だったらおもろい
>>さりげなく避けられてんじゃんw

ここからが本番。

紫苑と私の相性の良さを見せつけて、美玲が紫苑を諦めて他に走るのはしょうがないと思わせる画を作る。
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