台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
Ep.73 優先順位
――涼しい空気。少し寒いくらい。
頭はぼんやりとしているけど、朝ほどの重怠さはない。
ふわふわと、柔らかい何かに体が沈んでいる。
身体が深く息を吸い込むたび、徐々に濃く香りだす屋台のような夏の匂い。
――淡いのに、なぜかそれを貫くように嗅覚に届く石鹸の香り。
あ。知ってる。
これは、爽真の匂いだ。
ふっと目を開けると、ぼやけた視界に私を見下ろす人の影。
目が完全に開く頃には、それが爽真なのだとわかった。
「……爽真……?」
なんか泣きそうな顔してる。
最近の爽真は、いつもどこか切なそうだ。
大丈夫だよ。
心でそう語りかけて、それを伝えるように指が動く。
爽真のわかりやすくハッとした顔を見て、なぜか口元が緩んでしまった。
「……ここ、どこ?」
「……。……シェアハウスの、瑠奈と春野の部屋……」
「……男子禁制なんだけど?」
「ちゃんと許可とった」
「それ、どういうシチュエーション……」
和んだ心が一変、状況を思い出して一気に青ざめる。
「そうだ!ミッション!
え、じゃあなんで家――痛ったぁ!」
目覚めきっていない体を急に起こそうとしたら、頭痛に遮られてダウンする。
仰向けに倒れて両手で頭を抱える私に、爽真が少し怒った顔をした。
「まだ寝てろ。疲労からくる熱で倒れて、2時間半は意識飛ばしてんだぞ」
ぐ。
ピリついた視線に、押し負けて口を結ぶ。
怒られて拗ねた子どものように眉を寄せて、反抗的に爽真を見ていると、また重要なことに気がついた。
頭はぼんやりとしているけど、朝ほどの重怠さはない。
ふわふわと、柔らかい何かに体が沈んでいる。
身体が深く息を吸い込むたび、徐々に濃く香りだす屋台のような夏の匂い。
――淡いのに、なぜかそれを貫くように嗅覚に届く石鹸の香り。
あ。知ってる。
これは、爽真の匂いだ。
ふっと目を開けると、ぼやけた視界に私を見下ろす人の影。
目が完全に開く頃には、それが爽真なのだとわかった。
「……爽真……?」
なんか泣きそうな顔してる。
最近の爽真は、いつもどこか切なそうだ。
大丈夫だよ。
心でそう語りかけて、それを伝えるように指が動く。
爽真のわかりやすくハッとした顔を見て、なぜか口元が緩んでしまった。
「……ここ、どこ?」
「……。……シェアハウスの、瑠奈と春野の部屋……」
「……男子禁制なんだけど?」
「ちゃんと許可とった」
「それ、どういうシチュエーション……」
和んだ心が一変、状況を思い出して一気に青ざめる。
「そうだ!ミッション!
え、じゃあなんで家――痛ったぁ!」
目覚めきっていない体を急に起こそうとしたら、頭痛に遮られてダウンする。
仰向けに倒れて両手で頭を抱える私に、爽真が少し怒った顔をした。
「まだ寝てろ。疲労からくる熱で倒れて、2時間半は意識飛ばしてんだぞ」
ぐ。
ピリついた視線に、押し負けて口を結ぶ。
怒られて拗ねた子どものように眉を寄せて、反抗的に爽真を見ていると、また重要なことに気がついた。