姫、拾っただけなのに最強(最凶)総長様にただただ溺愛されてます。
Prologue

わたしの人生の華の在り処

両親は、わたしが小学3年生の夏、交通事故で死んだ。


3人で旅行に行っていた帰り道の、相手側の飲酒運転によって。


キキーッという音とともに、母のものと思われる、『キャーッ!!』という悲鳴が聞こえた。


なぜかわたしには痛みがなく、無傷だった。


目の前で、血まみれになってわたしを抱きしめて守ってくれていた、父がいた。


母も母で、わたしを守ろうとしてくれたのか、ガラスの破片が刺さった手が、椅子の上に乗っていて。


その光景は、小さながら目に焼き付いている。


それを見て理解した瞬間、涙が絶え間なく溢れてきて、泣いて、泣いて、涙が枯れるまで泣いた。


多額の賠償金に、親戚は目を輝かせていたけれど、自分の子供達が死んだというのに。


悲しくないのだろうか、と(むな)しい心持ちになった。


わたしに残されたものは、何もない。


食事もままならない、すっからかんの毎日。


ちなみに、頼れる親戚はいない。


世間の体裁(ていさい)を気にした母方の祖父母が引き取ってくれたものの、中学に入ると当然のように一人暮らしを要求されてしまう。


まぁ、あの家は居心地が悪かったからちょうどいいんだけれど。


わたしはその日から、天涯孤独の貧しい身として生きることが決定された。


好きなもの:平穏、もしくは平和


嫌いなもの:刺激


中学残り1年半と高校を、なんの事件もなく、平穏に終わらせるはずだったのに……


こんなことになるなんて、聞いてませんっ―――!
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