銀白虎




「図々しいかもしれないんだけどさ、ちょっとだけ蓮見くんを独占出来た気がするんだっ。

…でも今日終っちゃったらさ?もう、蓮見くんはみんなの王子様に戻っちゃうでしょ…?だからね…」



『今日終わったら、蓮見くんに好きって言おうと思うんだ!』



頬をぴんくに染めて、あたしに笑顔でそう語る亜美は、とっても可愛かった。





「そっか…頑張ってね!」



だから、本気でそう思うのに。応援したいのに。




ずきん、と。

この胸の痛みは何……?



亜美が、蓮見くんの裏を知らないから、かな?

表の蓮見くんを好きという亜美に、可哀相だと思ってるのかな?


わからない、けど。




あたしは弱いな、と唐突もなくふと思った。





< 150 / 589 >

この作品をシェア

pagetop