銀白虎
「……若、どういうことです?」
「…さあ、俺にもさっぱりわからねぇ。けど、虎丸は最初から懐いてたみたいだ」
蓮見くんがそう言うと、騒がしさはますます大きくなる。
あたし、何かしたのかな……?
不安が、募っていく。
「お嬢ちゃん……結城飛鳥、と言ったな?」
「…はい…」
再び話しかけられ、変に肩に力が入り、強張る。
「…俺は森岡だ。皆からは森さんって呼ばれてる。
君を歓迎しよう。ここは男だらけで顔は厳つい奴が多いが、根は良い奴ばかりだ。楽しくやろうな?」
今までしていた険しい顔をほどき、柔らかい表情を浮かべた。