銀白虎







初めて見る子だな……お客さん?いや、でもそんなわけないか。

そしたら門で待ってるはずだ。



けど、こんなに若い子もいるんだなぁ。あたしと同じくらいかな?



この数日で見かけた人たちは皆、お父さんくらいの歳の大人ばかりで若くても二十前半くらいで、歳が近いのは蓮見くんだけだった。




だから余計に興味が湧いて………失礼かな、って思ったけど、気になって観察していたら。


ぐるり、首が後ろに回って目がバッチリあった。



う、うわ…!


びっくりしたのは、突然振り向いたからだけじゃない。

その少年は、男の子とは思えない程かわいい顔をしていたのだ。



や、やばい!かわいすぎる!!きゅんきゅん、胸が鳴る。


そんな彼に見とれていたあたしに、





「…お前が、居候する女?」



聞いてきた声に、

あ、やっぱり声は男の子だ…。と
呑気に考えていて。


低いとまでは言わないけれど、しっかりした声で。
少し、冷たい印象を受ける。



けれどすぐに我に帰って。



「あ、はい!結城飛鳥っていいます。よろし…」


「なぁ~んだっ。超ブスじゃん!」




ちょ、超ブス!?


………な、なんだろう。今のは聞き間違いだろうか?








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