銀白虎
――――朝起きたら、おにぎりは綺麗に昨日のまま、そこにあった。
でも別に、竜くん宛の手紙を置いていたわけでもないから、これは仕方ないこと。
単なるおせっかいだったわけだし。
だから捨てたらもったいないと…お弁当に持ってきた。
おにぎりが2つだけの、簡素なお弁当。お弁当と言えるかも、怪しい。
さて、鮭と梅、どちらから食べようか。
「あれ?今日弁当なんだ?」
「え?」
その声に顔をあげると、神崎くんがこっちを見ていた。
「結城、最近ずっとパンだったじゃん?」
確かに…。
蓮見くんの家にお世話になるようになってからは、人んちの台所を借りるのは気が引けたので、購買にしていた。
よくみてるなぁ…。