銀白虎

何よ…


少しだけ、睨みを効かせる。



するとにっこり、微笑んで近づいてくる。



な、なによ…！


あたしは少しだけ後ずさる。


「結城さん、俺のせいで迷惑かけちゃってごめんね？」




近くで止まりそう言ったかと思ったら、あたしの耳元で。


『貸し、一つ』


……そう、囁いた。




な…！！


顔をあげて蓮見くんの顔を見ると、にやり…あの意地悪い笑い。



やられた！！


「結城さん、よければさっきの返事今聞いてもいいかな？」


蓮見くんの目が「断ったらどうなるかわかってるよな？」とあたしに圧力をかけてくる。



「…わ、私なんかでよければ…」


「本当？良かった。２人で楽しい文化祭を作れるよう頑張ろうね」



……………。

ちょっと照れながら、嬉しそうに笑う。

この人、演技うますぎ…。



良かったなんて白々しい！

これ完全に脅迫じゃん！



しかし頑張ってあたしは、引き攣り笑顔でなんとか場を持たせた。