銀白虎
いや、待て。
落ち着け……、
奴……蓮見くんは今、なんて言った?
『大丈夫だよ。結城さんは俺がちゃんと送ってくから』
まぢですか…?
てか何言ってんのさ!
あんたのが危険だっつーの!
それなら一人で帰った方がよっぽどいいし!!
「こんなに暗くなるまで残らせたの、俺のせいだし」
言葉に合わせ、申し訳なさそうにする蓮見くん。
なんだよその顔!
貴様何をたくらんでいる!
あたしはポカンと口を開け、
神崎くんもなんでか黙ったまま。
「お前、嘘くせぇんだよ…」
ぽつりと、神崎くんが呟いた。
顔をあげて2人を見たら、何となく一触即発のようなピリピリした空気が見えた…。
でも、それは、神崎くんの一方的。
蓮見くんはいたって冷静。
「俺は、俺だよ」
にっこり、笑う笑顔が今までで1番嘘臭く見えたのは、あたしの気のせいだろうか……?