Please let me hear your voice-君の声を聴かせてー
スタジオの空気は、録音の熱がすっかり落ち着いて、
静かな余韻だけが薄く漂っていた。
柚歩はマイクの前に立ったまま、そっと息を整えた。
喉の奥に残っていたわずかな震えが、今日はもう痛みではなく、
歌う前に息を整えるときの緊張に変わっている。
その変化を、身体の奥で確かに感じていた。
声が戻った――その事実が、ようやく自分の内側で温度を持ち始めていた。
けれど、胸の奥に芽生えている未来は、
以前のプロジェクトのように「顔を出して歌う未来」ではなかった。
光の中に立つ自分ではなく、
“声だけで生きる未来”が静かに形を持ち始めていた。
姿ではなく、声そのものが誰かの心に触れる未来。
覆面という形を選ぶことが、痛みから逃げるためではなく、
声を主役にするための選択になる未来。
柚歩は胸元のペンダントに触れた。
ラピスラズリの青が、スタジオの薄い光を受けてふっと揺れる。
その揺れは、まるで「声で生きる道」をそっと示すようだった。
静かな余韻だけが薄く漂っていた。
柚歩はマイクの前に立ったまま、そっと息を整えた。
喉の奥に残っていたわずかな震えが、今日はもう痛みではなく、
歌う前に息を整えるときの緊張に変わっている。
その変化を、身体の奥で確かに感じていた。
声が戻った――その事実が、ようやく自分の内側で温度を持ち始めていた。
けれど、胸の奥に芽生えている未来は、
以前のプロジェクトのように「顔を出して歌う未来」ではなかった。
光の中に立つ自分ではなく、
“声だけで生きる未来”が静かに形を持ち始めていた。
姿ではなく、声そのものが誰かの心に触れる未来。
覆面という形を選ぶことが、痛みから逃げるためではなく、
声を主役にするための選択になる未来。
柚歩は胸元のペンダントに触れた。
ラピスラズリの青が、スタジオの薄い光を受けてふっと揺れる。
その揺れは、まるで「声で生きる道」をそっと示すようだった。