Please let me hear your voice-君の声を聴かせてー
第12章 前を向いてあなたと歩むためにーラピスラズリー
その柔らかい光は、今日という一日が特別であることを静かに告げていた。
柚歩は鏡の前に座り、髪を整えながら静かに息を吸った。
喉の奥がわずかに震える。
けれどそれはもう“声が出ない痛み”ではなく、
未来へ踏み出すための、静かな緊張だった。
胸元のラピスラズリが淡く光る。
深い青が揺れに触れるたび、胸の奥のざわめきが少しずつ整っていく。
この石は、過去の影を抱えた自分を支えてくれた色で、
今日から未来へ歩き出す自分を照らす色でもあった。
「……ママ、きれい」
小さな足音とともに、愛生が優海と麻衣を連れて部屋に入ってきた。
ドレスの裾をそっとつまむその指先が、
緊張していた胸の奥にふっと温度を広げる。
「柚歩ちゃん、ほんとにきれい。やっと幸せになれるね。うちの両親も参列してるから……。
お父さんなんて緊張しちゃってるよ」優海は少しおかしそうに笑った。
「ほんとにきれいね。友香さんが生きていたら一番に喜んでくれたのに……。でも、歩さんと二人で見守っているからね」
「今日は、愛生にとってもパパやママにとっても大事な日なんだよ」
愛生はうん、と頷き、
その瞳はただまっすぐで、濁りのない光を宿していた。
未来を信じる子どもの光は、柚歩の心を静かに支えてくれる。
麻衣と、優海にもお礼を言った。
「この日を迎えられたのは、支えてくれた二人のおかげ。優海ちゃんはプライベートでも、仕事でもずっとそばにいてくれてありがとう」
「麻衣さんは、父親を知らずにいた私にお父さんの存在を教えてくれてありがとうございます」
「でも、歩さんと、優海ちゃんに血のつながりがあったことは驚いた」
三人はフフッと笑いあった。
未来へ向かうための光を胸に宿した、今日の自分だった。
その頃、別室では琉生が支度をしていた。
白いシャツの袖を整えながら、
胸元にある“対”のラピスラズリをそっと手に取る。
深い青が指先で揺れた。
柚歩の石と同じ色。
同じ未来を見つめるために選んだ、二人の青。
「……今日から、本当に歩き出すんだな」
琉生は静かに息を整えた。
その声は誰に向けたものでもなく、
未来へ向かう自分自身を確かめるための言葉だった。
柚歩の声を支えたい。未来を支えたい。
愛生と三人で歩きたい。
その願いが胸の奥で静かに形を持ち始める。
支度を終えた琉生は、扉の前で一度だけ深呼吸をした。
今日という日が、
柚歩にとっても、愛生にとっても、
そして自分にとっても、
“未来へ踏み出す光”になることを知っていた。
柚歩は鏡の前で最後の確認を終え、
胸元のラピスラズリにそっと触れた。
深い青が静かに揺れ、
未来へ進む決意をそっと示してくれる。
「……行こう」
その小さな声は、
誰に向けたものでもなく、
未来へ向かう自分自身への合図だった。
結婚式の朝。
静かな緊張と深い青の決意が、
ゆっくりと、確かに形になっていく。
柚歩は鏡の前に座り、髪を整えながら静かに息を吸った。
喉の奥がわずかに震える。
けれどそれはもう“声が出ない痛み”ではなく、
未来へ踏み出すための、静かな緊張だった。
胸元のラピスラズリが淡く光る。
深い青が揺れに触れるたび、胸の奥のざわめきが少しずつ整っていく。
この石は、過去の影を抱えた自分を支えてくれた色で、
今日から未来へ歩き出す自分を照らす色でもあった。
「……ママ、きれい」
小さな足音とともに、愛生が優海と麻衣を連れて部屋に入ってきた。
ドレスの裾をそっとつまむその指先が、
緊張していた胸の奥にふっと温度を広げる。
「柚歩ちゃん、ほんとにきれい。やっと幸せになれるね。うちの両親も参列してるから……。
お父さんなんて緊張しちゃってるよ」優海は少しおかしそうに笑った。
「ほんとにきれいね。友香さんが生きていたら一番に喜んでくれたのに……。でも、歩さんと二人で見守っているからね」
「今日は、愛生にとってもパパやママにとっても大事な日なんだよ」
愛生はうん、と頷き、
その瞳はただまっすぐで、濁りのない光を宿していた。
未来を信じる子どもの光は、柚歩の心を静かに支えてくれる。
麻衣と、優海にもお礼を言った。
「この日を迎えられたのは、支えてくれた二人のおかげ。優海ちゃんはプライベートでも、仕事でもずっとそばにいてくれてありがとう」
「麻衣さんは、父親を知らずにいた私にお父さんの存在を教えてくれてありがとうございます」
「でも、歩さんと、優海ちゃんに血のつながりがあったことは驚いた」
三人はフフッと笑いあった。
未来へ向かうための光を胸に宿した、今日の自分だった。
その頃、別室では琉生が支度をしていた。
白いシャツの袖を整えながら、
胸元にある“対”のラピスラズリをそっと手に取る。
深い青が指先で揺れた。
柚歩の石と同じ色。
同じ未来を見つめるために選んだ、二人の青。
「……今日から、本当に歩き出すんだな」
琉生は静かに息を整えた。
その声は誰に向けたものでもなく、
未来へ向かう自分自身を確かめるための言葉だった。
柚歩の声を支えたい。未来を支えたい。
愛生と三人で歩きたい。
その願いが胸の奥で静かに形を持ち始める。
支度を終えた琉生は、扉の前で一度だけ深呼吸をした。
今日という日が、
柚歩にとっても、愛生にとっても、
そして自分にとっても、
“未来へ踏み出す光”になることを知っていた。
柚歩は鏡の前で最後の確認を終え、
胸元のラピスラズリにそっと触れた。
深い青が静かに揺れ、
未来へ進む決意をそっと示してくれる。
「……行こう」
その小さな声は、
誰に向けたものでもなく、
未来へ向かう自分自身への合図だった。
結婚式の朝。
静かな緊張と深い青の決意が、
ゆっくりと、確かに形になっていく。