Please let me hear your voice-君の声を聴かせてー
会議室に入った瞬間、空気がひとつ深く沈み、長いテーブルの中央に置かれた資料の表紙には

「Lumière Voix(リュミエール・ヴォワ)」

と静かに刻まれていた。
柚歩は席に座りながら胸の奥がざわつくのを抑えられなかった。隣には要。少し離れた席に美桜が資料を抱えて座っていて、柚歩と目が合うと小さく会釈し、すぐに視線を落とした。

——まだ、気まずいんだ。
その距離感が、逆に自然だった。

扉が開く。琉生が入ってきて、その後ろに静かな気配をまとった久遠、そして優海が柔らかい笑顔で現れた。
全員が揃った瞬間、会議室の空気がひとつ整った。

要が軽く会釈する。

「本日はお時間いただきありがとうございます。それでは、企画の説明をお願いします」

久遠が口を開く前に、琉生が静かに言った。

「その前に、初めての方もいるので軽く自己紹介をさせていただきます。私は、この Lumière Voix のデザインを担当します。我妻琉生です」

「プロジェクトリーダーは Ciel Bleu 営業企画の我妻久遠です」

「私は KADOKURA の広報、門倉優海です」

「映像制作の小柳です」

「葉山柚歩です」

「柴咲美桜です」

自己紹介が終わり、琉生が資料をめくった。

「今回の新ブランドラインは、“光の軌跡”をテーマにしています」

スクリーンに映し出されたデザインは、光が流れるような繊細なラインで、柚歩は息を呑んだ。

——綺麗……
——でも、胸がざわつく……

久遠が静かに言葉を継ぐ。

「光は、誰かの存在を映すものだから」

優海が微笑む。

「“光 × 声”……とても素敵な組み合わせですね」

要が資料を確認しながら言った。

「映像制作側としては、“声”を中心にした構成を考える必要がありますね」
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