承認欲求
霧深い廃村をさらに奥へと進むと、そこはもう完全に森の中だった。電波は入らない。足元も悪い。それでも引き返さないのは、ひとえにSNSの話題作りのためだった。とにかくバズりたかった。森閑とした夜道をあてどもなく歩いていると、やがて目の前に古びた看板が。ここでようやく僕は、自身の肥大した承認欲求を盛大に悔いることになる。そこには書き殴ったかのような真っ赤な文字で『この先、殺人鬼出没注意』と書かれていた。
