口癖
疲れた、が口癖の友だちが倒れたらしい。夜勤バイトの疲労がドッと出てしまったのだろう。近所のアパートまでお見舞いに行くと、ひどく顔がやつれ、まるで別人のようになってしまった彼女の姿が。疲れた、と開口一番、ほどなく通された薄暗い部屋の壁一面には、おびただしいほどの御札が無秩序に貼られていた。背筋に寒気が走ったのとほぼ同時、ここで私はようやく気づく。彼女は「疲れた」ではなく「憑かれた」と言っていたのだ。
