最後まで読まないで

体温計

毎朝、学校へ行く前に体温を測るのが私の日課だ。「ピピピッ」画面を見ると三十六度五分。今日も平熱だ。「お母さん、熱ないよ」「そう、よかったわね。じゃあ気をつけて行ってらっしゃい」優しい母に見送られ、私は家を出て学校へ向かう。でも本当は知っている。私がいつも脇に挟んでいるあの体温計は、一ヶ月前から三十六度五分のまま数字が全く変わらない、ただのおもちゃだということを。
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