最後まで読まないで

腹話術

お楽しみ会で腹話術を披露することになった。右手には犬のパペットをはめ、自室で練習をする。「こんにちは、僕ポチだよ」僕が口を閉じたまま声を出し、ポチの首を上手に傾けさせる。完璧だ。「ねえ、ずっと気になってたんだけど」突然、ポチが台本にないことを喋り出した。僕の口は完全に閉じているのに。「君の左手、さっきから誰が動かしてるの?」言われて気づいた。僕の左手は、何かに操られるように不自然に揺れている。
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